中古品販売に許可は必要?古物商許可の対象・取り方・費用を徹底解説

私は行政書士として、古物商の申請を扱う事務所で8年ほど許認可サポートをしてきました。この記事では、許可が必要・不要の線引き、申請の流れと費用、無許可営業の罰則、そして取得後に必ず守る帳簿や標識の義務までまとめます。
読み終えたら、自分のやり方が許可の対象かどうか自分で判断できるはずです。
中古品の販売に許可は必要?まず結論から

判断の軸はシンプルです。売る物が『古物』に当たるか、そしてその取引が『業として』行われているか。この2つがそろうと古物商許可が必要になります。
根拠法は古物営業法。許可なしで古物営業を営むと、3年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象です。
許可が必要になる理由(古物営業法の目的)
なぜ国がわざわざ許可制にしているのか。理由は盗品の流通を防ぐためです。
中古品の市場には、盗まれた物が紛れ込むリスクがあります。誰が誰から仕入れたかを記録させ、警察が追跡できる状態にしておく。これが古物営業法の狙いです。
だから許可を取ると、後述する帳簿の記帳や本人確認といった義務がセットでついてきます。「許可を取ったら終わり」ではなく、ここからが本番だと思ってください。
古物商許可が必要なケース
古物を買い取って売る取引が代表例です。具体的には次のようなものが許可の対象になります。
| 取引のかたち | 具体例 |
|---|---|
| 買い取って売る | リサイクルショップ、せどり、転売 |
| 修理して売る | 中古家電を直して再販 |
| 部品取りして売る | ジャンク品を分解して部品販売 |
| 委託売買 | 他人の古物を預かって販売 |
| 交換 | 古物どうしを交換する |
| レンタル | 買い取った古物をレンタルに回す |
| 国内で買い国外へ輸出 | 日本で仕入れた中古品を海外で販売 |
ネット販売でも同じです。中古品を継続的・営利目的で売るなら、店舗があるかどうかに関係なく古物商許可が必要になります。
許可がいらない例外のケース
逆に許可がいらないのは、自分の物を手放すだけのケースです。
自分で使っていた服や家電を単発で売る。自分の物をフリマアプリやオークションに出品する。これらは通常、古物商許可は不要です。
ポイントは『売るために仕入れたか』。最初から転売目的で買った物を売るなら、たとえ少額でも許可の対象です。ここを勘違いしている人が本当に多い。
古物商許可とは?対象になる中古品の範囲
古物商許可は、古物営業を営むための公安委員会の許可です。対象になる『古物』は13品目に区分されています。

ここを正しく押さえておかないと、「自分の扱う物が古物に当たるのか分からない」という入口で止まってしまいます。
古物商許可をわかりやすく説明
ざっくり言うと、一度でも誰かの手に渡った物(または使われた物)を、業として売買・交換する人が取る許可です。
申請先は、主たる営業所を管轄する警察署の生活安全課を通じて、公安委員会へ。窓口が警察署なので身構える人もいますが、手続きは事務的に進みます。
対象となる13品目
古物営業法では、扱う古物を13の品目に分けています。申請時にこの中から取り扱う品目を選びます。
| 品目 | 具体例 |
|---|---|
| 美術品類 | 絵画、骨董品、書 |
| 衣類 | 古着、着物、子ども服 |
| 時計・宝飾品類 | 腕時計、指輪、貴金属 |
| 自動車 | 中古車、その部品 |
| 自動二輪車・原動機付自転車 | 中古バイク、その部品 |
| 自転車類 | 中古自転車、その部品 |
| 写真機類 | カメラ、レンズ、望遠鏡 |
| 事務機器類 | パソコン、コピー機、レジ |
| 機械工具類 | 電動工具、医療機器、ゲーム機 |
| 道具類 | 家具、楽器、ゲームソフト、CD・DVD |
| 皮革・ゴム製品類 | バッグ、靴 |
| 書籍 | 古本 |
| 金券類 | 商品券、切手、乗車券 |
パソコンは事務機器類、ゲーム機は機械工具類、ゲームソフトは道具類というように、ぱっと見の直感とずれる分類があります。迷ったら申請前に警察署で確認するのが確実です。
古物の細かい線引き(不用品・無償取得品・新品の違い)
実務でいちばん質問が多いのがこの線引きです。3つのパターンで整理します。
| ケース | 古物商許可 |
|---|---|
| 自分が使った不用品を売る | 不要(単発・自分の物) |
| タダでもらった物を売る | 原則不要(自分が取得して使う前提) |
| 新品を仕入れて売る | 古物に当たらないため対象外(別の話) |
| 売るために中古品を仕入れて売る | 必要 |
新品を仕入れて売るのは古物営業ではありません。ただし、その新品が一度でも消費者の手に渡った物なら『古物』扱いになります。「新品同様」と「未使用の新品」は意味が違うので注意してください。
メルカリ・ヤフオク・Amazonなど販売先別の許可の要否
プラットフォームが何かで許可の要否が決まるわけではありません。決め手は『仕入れて売っているか』。ここを軸に販売先ごとに見ていきます。

自分の不用品を売るだけなら不要
メルカリやヤフオクで、着なくなった服や使わなくなった家電を売る。これは自分の物の処分なので許可は不要です。
出品数が多くても、すべて自分が使っていた物なら原則として古物営業には当たりません。
転売・せどり目的の仕入れ販売は必要
一方、利益を出す目的で中古品を仕入れて、メルカリやヤフオク、Amazonで売るなら古物商許可が必要です。
eBayなどで海外向けに販売する場合も、日本国内で仕入れた古物を扱うなら同じく許可がいります。プラットフォームではなく取引の中身で判断する、と覚えておいてください。
正直に言うと、「フリマアプリだから大丈夫」という思い込みが一番危ない。継続的に仕入れて売っている時点で、それは立派な古物営業です。
ネットショップ開設時のURL届出
自分のネットショップやホームページを使って古物を取引する場合、そのURLを公安委員会に届け出る必要があります。
申請書の『ホームページ利用取引をする』の欄にURLを記載します。後からネット販売を始めるなら、変更届で追加します。届出を忘れると、後述する変更届の遅延に当たるので気をつけてください。
古物商許可の取り方と必要書類・費用

ここからは実際の手続きです。申請手数料は19,000円。これは全国の都道府県公安委員会で共通の運用です。
流れ自体は難しくありません。つまずくのは欠格事由の確認と、書類集めです。
申請の流れと標準処理期間(約40日)の目安
大まかな流れはこうです。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 欠格事由に当たらないか確認 |
| 2 | 個人申請か法人申請かを決める |
| 3 | 取り扱う品目を選ぶ |
| 4 | 管轄の警察署に事前相談 |
| 5 | 必要書類を準備する |
| 6 | 申請書を作成し警察署へ提出 |
| 7 | 審査を待ち、許可証を受け取る |
審査には標準でおよそ40日かかります。書類に不備があると、ここからさらに延びます。仕入れの予定があるなら、逆算して早めに動くのが鉄則です。
個人申請・法人申請の必要書類
個人で取るか法人で取るかで、必要書類が変わります。
| 書類 | 個人 | 法人 |
|---|---|---|
| 許可申請書 | 必要 | 必要 |
| 住民票(本籍記載) | 本人 | 役員・管理者全員 |
| 身分証明書(本籍地の市区町村発行) | 本人 | 役員・管理者全員 |
| 誓約書 | 本人 | 役員・管理者全員 |
| 略歴書 | 本人 | 役員・管理者全員 |
| 定款・登記事項証明書 | 不要 | 必要 |
| URLを使用する権限疎明資料 | ネット販売時 | ネット販売時 |
ここでいう『身分証明書』は、運転免許証のことではありません。本籍地の市区町村が発行する、破産者でない等を証明する公的書類です。ここを取り違える人が毎回いるので強調しておきます。
申請費用と行政書士に頼む場合の比較
自分でやるか、行政書士に頼むか。手数料19,000円は共通で、違いは『手間』と『報酬』です。
| 項目 | 自分で申請 | 行政書士に依頼 |
|---|---|---|
| 申請手数料 | 19,000円 | 19,000円 |
| 行政書士報酬 | なし | 事務所により別途 |
| 書類収集の手間 | 自分で役所を回る | 代行可能 |
| 事前相談・補正対応 | 自分で対応 | 代行可能 |
| 向いている人 | 時間が取れる人 | 本業で動けない人 |
私の正直な意見を言うと、1店舗・個人で時間が取れるなら自分で十分申請できます。役員が複数いる法人や、営業所が複数にまたがるケースは、書類が一気に増えるので依頼する価値があります。
許可なしで中古品を販売した場合の罰則とリスク
ここは慎重に確認してください。無許可営業は古物営業法第31条で罰則が定められています。

無許可営業の懲役・罰金
許可を取らずに古物営業を営むと、3年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象です。
「知らなかった」は通用しません。仕入れて売る行為を続けている時点でアウトになり得ます。さらに、無許可営業で処分を受けると、その後の許可取得にも影響します。
許可が取得できない欠格事由
そもそも誰でも許可を取れるわけではありません。一定の事由に当たる人は許可を受けられません。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 破産 | 破産手続開始の決定を受けて復権していない |
| 前科 | 一定の犯罪で罰金以上の刑を受け、一定期間を経過していない |
| 許可取消 | 古物営業の許可を取り消され、一定期間を経過していない |
| 未成年 | 営業に関し成年と同一の能力を有しない未成年者 |
| 管理者不在 | 営業所に適切な管理者を選任できない |
自分が当たるか不安なら、申請前に警察署で相談してください。該当の有無は身分証明書などで確認されます。
営業所の設定で注意したい点
申請でつまずきやすいのが営業所です。実在し、古物を管理できる拠点であることが求められます。
自宅を営業所にする場合は、その住所で問題ないか。賃貸物件なら使用権限がはっきりしているか。ここが曖昧だと審査で止まります。次の独自パートで実務の注意点を詳しく書きます。
【独自】許可取得後に必ず守る実務と継続義務
許可が下りてからが本番です。ここを軽視して、取得後の義務違反でつまずく人を何人も見てきました。

競合記事は申請までで終わりがちですが、実務で効いてくるのはこの先です。
帳簿の記帳・取引記録の保存と本人確認
古物商は、取引内容を帳簿(古物台帳)に記録する義務があります。これが盗品流通防止という法の目的の核心です。
記録するのは、取引の年月日、品目と数量、特徴、相手の住所・氏名・職業・年齢など。一定額以上の取引では、相手の本人確認も必要になります。
私が現場で口を酸っぱくして言うのは、「面倒でもその場で書く」こと。後でまとめて、は必ず漏れます。台帳は最終記載から一定期間の保存義務があるので、捨てないでください。
標識の掲示義務と変更届出の遅延ペナルティ
営業所には、決められた様式の標識(古物商プレート)を掲示する義務があります。ネット販売中心でも、営業所がある以上は掲示が必要です。
そして、氏名・住所・営業所・管理者・取扱品目・ホームページのURLなどに変更があったら、変更届を出します。
この変更届の出し忘れが、地味に多い。後から指摘されて慌てるくらいなら、引っ越しやURL追加のタイミングで一緒に処理してしまうのが楽です。
営業所が複数・他県にまたがる場合の申請
営業所が複数ある場合、すべての営業所を申請書に記載します。
以前は他県に営業所を増やすたびに申請が必要でしたが、現在は主たる営業所を管轄する公安委員会へ一括で申請・届出ができます。新たに営業所を増やすときは変更届で対応します。
各営業所には、それぞれ管理者を1人選任する必要があります。複数店舗を考えているなら、管理者を誰にするかは早めに決めておいてください。
個人から法人化したときの再申請・税務の注意
見落としやすいのがここです。個人で取った古物商許可は、法人化しても引き継げません。
個人と法人は別人格なので、法人で古物営業を続けるなら、法人として新たに許可を取り直す必要があります。個人の許可は廃業届を出します。
税務面では、開業後は確定申告が必要で、課税事業者ならインボイス制度への対応も関わってきます。許可と税務は別の手続きですが、せどりや転売を本格化するなら同時に考えておくと後が楽です。
まとめ:中古品販売で許可が必要かの最終チェック

最後に、自分が許可の対象かどうかを一気に確認できる形にまとめます。
| あなたのやり方 | 古物商許可 |
|---|---|
| 自分の不用品をメルカリ等で単発で売る | 不要 |
| タダでもらった物を売る | 原則不要 |
| 利益目的で中古品を仕入れて売る | 必要 |
| 中古品を修理・部品取りして売る | 必要 |
| 自分のネットショップで継続的に古物を売る | 必要(URL届出も) |
『仕入れて売る』なら、ほぼ許可が必要だと考えてください。申請手数料は19,000円、審査の目安は約40日。仕入れを始める前から逆算して動くのが正解です。
無許可営業は3年以下の懲役または100万円以下の罰金。これを避けるために、まずは管轄の警察署に事前相談の電話を1本入れる。今日できる最初の一歩はそれです。
よくある質問

よくある質問
- 古物営業法(e-Gov法令検索)
- freee「古物商許可とは」
- 古物商(永代供養・許認可解説)
- 古物商許可とオンライン販売(浅見事務所ブログ)
- 古物商許可の手数料(リサイクルはじめる.net)
- 古物商許可の取り方(STORES マガジン)
- 古物営業法(e-Gov法令検索・第31条)
- 無許可営業の罰則(ヘイワード法律事務所)
- 古物商の帳簿・継続義務(金子行政書士事務所)
- 古物商許可の実務解説(kobutusho-kyoka.com)
- 古物営業法(e-Gov法令検索)
- freee「古物商許可とは」
- 古物商許可の手数料・申請(リサイクルはじめる.net)
- 古物商許可の取り方(STORES マガジン)
- 無許可営業の罰則(ヘイワード法律事務所)
